M&A・戦略コンサルタントの1日

財務モデリングのエキスパートとして
データに向き合い、数字から企業の未来を予測する

コンサルタントの1日とは、いったいどのようなものなのでしょうか?どのようなプロジェクトにアサインされ、どのように活躍し、そしてどのようにプロフェッショナルとしての経験や知識を積み上げているのか。PwCアドバイザリー合同会社(以下、PwCアドバイザリー)のディールストラテジー&オペレーション部門で活躍する若手コンサルタントの「1日の動き」を紹介します。
 
※所属、役職およびインタビュー内容は掲載当時のものです。

R.Yamasaki(#businessconsultant #dealadvisory)
PwCアドバイザリー合同会社 Deals Strategy & Operations シニアアソシエイト
2018年4月入社

Background

理系出身ならではのデータ分析力を生かし、財務モデリングエキスパートに

大学と大学院では地球科学や環境学を学んでいました。主に地球温暖化が海洋に与える影響について研究し、スイスで氷河を観測したり、ロシアで永久凍土の調査に取り組んだりしたこともあります。こうした背景もあり、将来は環境コンサルティング会社やエネルギー系の企業に進みたいと考えていました。

同時に、仮説を立てて問題を解くということを繰り返して、少しずつ真理に近づいていくという研究のプロセスと、仮説思考で進めるコンサルタントの仕事には相通じるものがあるのではないかと気付き、コンサルティング会社にも興味を持つようになりました。結果的に就職活動は、環境・エネルギー系、コンサルティング系の2つの軸で進めました。

PwCアドバイザリーに入社しようと決めたのは、社風が自分に合っていると思ったからです。とにかく和気あいあいとしていて、雰囲気がいいと感じました。説明会や面接を通して「チームワークを大切にしている会社」であることが伝わってきて、研究で仲間とフィールドワークに取り組むことが多かった自分にとって相性が良さそうだと思いました。

また、扱う領域の幅広さも決め手の一つになりましたね。戦略コンサルティングだけでなく、DX(デジタルトランスフォーメーション)やサイバーセキュリティ、デザインシンキングの導入支援など、一般的にあまりコンサル的ではないと思われている部分もカバーしており、「PwCアドバイザリーなら、いつかどこかで必ず自分が強くやりたいと思えることに出合えるだろう」と考えました。

入社後は、行政向けの官民連携プロジェクトを担当しました。美術館の設計から建設・運営までを一貫して行う鳥取県立美術館のPFI*1プロジェクトや、日本初の美術館コンセッション*2である大阪中之島美術館運営事業などのユニークな案件に、学生時代に培ったデータ分析の知見を生かして、財務モデリングエキスパートとして参加しました。その後、「より短いスパンで多くのアドバイザリー業務を経験したい」「財務モデリングの知見を積み上げたい」と考え、民間を対象としたM&A関連のディール業務を希望。現在は、事業計画の策定支援や上場企業のTOB(株式公開買付)に関するディールアドバイザリー業務などに従事しています。

※1 PFI (Private Finance Initiative):公共施設などの建設、維持管理、運営などを民間の資金、経営能力および技術的能力を活用して行う手法
※2 コンセッション:利用料金の徴収を行う公共施設について、施設の所有権を公共主体が有したまま、施設の運営権を民間事業者に設定する方式

Daily Schedule

大量のデータを精緻に分析することで、「企業の真の姿」をあぶり出す

9:00 始業~ディール関連のデータチェック

朝は8:30頃に起きて、さっと身支度をしてすぐに仕事を始めるようにしています。始業してすぐに行うのが、前日深夜に届いた大量のデータの確認です。ディールでは販売実績からコスト構造まで幅広く会社を分析する必要があるため、数十から数百といった膨大な量のデータが届くことも多く、これを細かくチェックしています。

大きな取引に関わる非常に重要な数字であるため、足りないデータはないか、数字に矛盾や誤りはないかなど、常に緊張感を持って精緻に確認することを心掛けています。足りない資料があった場合は速やかにクライアントに連絡。午後のクライアントミーティングに向けて、抜け・漏れのないようしっかりとデータを揃えます。

9:30 上司とのミーティング

データ確認の合間に、上司とミーティングを行います。この日は、データの整理状況を報告したり、クライアントミーティングで使う資料の構成やミーティングの進め方について話し合ったりと、主に午後のミーティングに向けた確認と整理を行いました。

10:00 クライアントミーティングに向けて資料作成

朝イチでチェックしたデータを表計算ソフト上で統合したり、グラフ化したりと、見やすさと同時に今後の議論のしやすさも意識した形に整理していきます。まとまったところで社内のチームメンバーに展開し、情報を共有します。多忙な上司や先輩、タスクを抱える同僚たちが、効率良く要点を理解できるよう、勘所を押さえた資料を作ることを心掛けています。

並行して、数字から見える課題の洗い出しや、その課題に対する解決策を考え、スライドを作成する業務なども行います。一見、地味な作業のように思えるかもしれませんが、これら一連のデータ分析・資料作成業務は、私にとって非常にワクワクする仕事です。企業の中身を把握することで外部情報からはわからない強みや弱みを浮き彫りにすることができますし、パブリックなイメージとは異なる「企業の実態」が見えてくることも少なくありません。また、数字を読み解くうちに、クライアント内部の社員と同等、もしくは社員以上に会社について詳しくなれるというのも面白いところですね。データを読み解き、クライアントが抱える課題の解決策を考えることはコンサルタントという仕事の醍醐味です。また、業務を通じた学びや発見が常にあり、自分自身の成長につながっていると感じています。

11:30 ランチ

ランチタイムはコンビニで弁当を買ったり、近所のラーメン屋に出掛けたり、できるだけ外に出るようにしています。テレワークで身体がなまってしまわないよう、軽く歩くことを日課にしています。

13:00 クライアントミーティング

私が携わっているアドバイザリー業務では、主に「企業と企業の結婚」といわれるM&Aに関するサポートを幅広く行っています。現在はクライアントである親会社と、買収した子会社のシステムやガバナンスのすり合わせや統合後の新事業計画の検討などを行うPMI(Post Merger Integration:合併後の経営統合)フェーズが進行中であり、ミーティングには私たちPwCアドバイザリーのメンバー、クライアントの担当者のほか、買収した子会社の社員も参加します。「これから家族になる!」という非常に重要な段階ですので、コロナ禍ではありますが、今回は対面でミーティングを行いました。感染防止対策をしっかりした上で約15名のメンバーが集まり、「子会社のガバナンスにおける課題点」「両者の強みを生かした新規施策やシナジーの創出」などについてディスカッション。私はファシリテーターとして参加し、資料の説明や意見の取りまとめをリードしました。

15:00 帰宅、上司とのミーティング

帰宅後は、上司と振り返りのためのミーティングを行いました。想定通りに進んだか、次のミーティングに向けてやるべきことは何かなどを洗い出し、タスクや課題を明確化します。

16:00 次回クライアントミーティングに向けて資料作成

夕方以降は、主に表計算ソフトで数十シートにもなるような巨大な事業計画(財務モデル)など、作成に1~2週間かかる資料作りを行うようにしています。私が作成する全資料のうち、3割ぐらいが1~2週間スパンの重め資料になるでしょうか。遅れや滞りのないよう少しずつ進め、日々の情報を織り込みながらブラッシュアップすることを意識しています。

18:00 終業

忙しいときは20:00頃まで仕事をしていることもありますが、そうでないときは大体18:00頃までには仕事を終えています。オフタイムはテレビや動画を観てのんびり。読書をすることも多いですね。財務会計に関する書籍やビジネス雑誌などを小まめに読んで、常に仕事に関わる情報をアップデートするようにしています。

Message

ミスが許されない緊張感のある業務。だからこそ、想像以上に成長できる

私が担当している、数字に関連した業務というのはミスが見えやすいという特徴があります。極端な話、金額が1円でもずれればミスになりますし、ほんの少しのミスで事業計画の最終結果が数億円変わることもあります。一つひとつを丁寧に積み上げ、決して間違わないよう着実に進めなければならず、プレッシャーの大きな仕事だと感じています。

一方で、「それだけ重要な部分を任されている」というやりがいも感じています。また、数字という、企業の全てといってもいい情報を一手に扱うという性質上、誰よりもクライアントに詳しくなり、早い段階でクライアントミーティングのファシリテートや事業戦略の検討を任されるといったところも醍醐味です。入社前は、これほど若いうちから企業の命運を左右するような大きな案件に携われるとは思っていなかったので、今、いい意味での驚きと、想像以上の成長や手応えを感じています。

今後は、戦略、デジタル、財務モデリングの3つの領域に強みを持つ複合型のエキスパートとして、経験とスキルを磨いてきたいと思っています。「数字を軸にして企業を支援する、幅広い武器を持つスペシャリスト」。そんな立ち位置で、可能性を広げ続けることが目標です。

Private

2019年に茨城県大洗町の「神磯の鳥居」の前で撮影した1枚です。休日は家族と旅行を楽しんだり、所属しているPwC Japanグループ公式のクラブ活動でテニスの練習に参加したりしています。

R.Yamasaki(#mastrategyconsultant #dealadvisory)
PwCアドバイザリー合同会社 Deals Strategy & Operations シニアアソシエイト

2018年に大学院修了後、新卒でPwCアドバイザリー合同会社に入社。官民連携事業、ベンチャー投資、アパレル企業、上場企業の買収(TOB)などの戦略立案、事業計画策定プロジェクトに従事し、財務モデリングのエキスパートとして多数のクライアントを支援。近年は事業計画の策定に加え、買収後の企業統合プロセス(PMI)にも参画し、M&A全体を一貫してサポートしている。

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