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近年、デジタルプラットホーム、アプリケーション開発者、分析会社などが消費者の個人情報をどのように処理し、利用しているか(多くは消費者の認識や同意なしに)、思い知らされる機会が増えました。個人情報の暴露が非難の嵐を呼び、漏えいのニュースも絶えません。欧州では一般データ保護規則(GDPR)が施行され、消費者はプライバシーの問題にこれまでになく敏感になっています。
人々は、個人データに対する規制強化、および企業が何を収集し、どのように共有し、利用しているのかについての透明性を要求しています。データの共有に対して消費者に代償を払うべきだという意見すらあります。企業は、データ収集の慣行における劇的な変化に備える必要があります。
ある意味で、消費者はデータの共有に関して矛盾した感情を持っているようです。多くの人はソーシャルメディアで大量の個人情報を公開しつつ、その情報でプロファイリングされることに反感を持っています。このような入り交じった反応の中で、消費者を相手とする企業はどうすれば良いのでしょうか?
これは状況と、消費者が情報共有の代償として得る体験によります。PwCの世界の消費者意識調査2019では、74%が自分の健康に関する情報を全て1カ所に集めて照合できるサービスを好意的に捉えています。このようなサービスは、個人情報をサービス提供者のネットワークに配信する必要があります。健康に関する情報は、消費者にとって極めて機密性の高いデータであるにもかかわらず、消費者は利便性とパーソナライゼーションを優先するようです。
消費者に安心して情報を共有してもらうため、スタートアップ企業から教訓を得ましょう。関心のある製品やサービスの試験プログラムの共同開発者として登録してもらい、個人データの提供を受ける方法もあります。消費者の参加とフィードバックは、継続的な製品の改善に役立ちます。
スタートアップとスケールアップを支援する企業のネットワークであるStartupbootcamp Globalの最高経営責任者(CEO)および共同設立者であるPatrick de Zeeuw 氏は、2018年12月、カスタマーエクスペリエンス(顧客の体験)の改善におけるデータの役割についてPwCに次のように語っています。「優れたスタートアップ企業は、何百、何千もの体験をオンラインとオフラインで提供し、データを収集することにより、顧客の問題や期待を詳細に理解することにも長けています。こうすれば、どのようなメッセージで、いつ、どこで、どのように顧客をターゲットとするかを判断できます」
消費者と接することができる企業は、それ以外の企業より消費者から容易に個人データの提供を受けることができるようです。PwCの調査によれば、消費者の3人に1人(33%)は、日に1回または週に1回以上オンラインで買物をし、商品やサービスを得るために個人情報や支払い情報を提供しています。
消費者としっかりした関係を構築することも、信用を得る手段となります。例えばCanon USAは、自然写真をテーマにしたイベントで消費者と接しています。同社は、そのようなイベントで消費者から個人データの提供を受ける代わりに、消費者に対し、写真がCanonの広告に採用されるというチャンスを提供します。Canon USAのセールスデベロップメント、Eコマース、戦略担当ディレクターであるMatt Gorman 氏は、2019年1月のインタビューでPwCに対して次のように語っています。「私たちは、あらゆるレベルで、消費者にデータの共有をお願いする全ての文書の中で、当社との関係を明確に説明し、消費者が得るメリットを関連付けた上で合意いただく契約をしています」
PwCの2018年「デジタルトラストへの道」によれば、企業が消費者に対して信用してデータを預けるよう奨励しているにもかかわらず、デジタル改革計画にサイバー/プライバシーリスクの積極的な抑制を「最初から完全に」盛り込んでいる企業は53%しかありません。
デジタルトラストを強化するために、今すぐできることがあります。まず、デジタル改革プロジェクトの1日目からサイバーセキュリティとプライバシーの担当者を参加させてください。IT資産とデータへのアクセスにかかわる企業としてのポリシーを確立し、社内の全てのレベルでポリシーを適用しましょう。機密データのある場所、企業にとってのその価値、その保護方法を決定するデータガバナンスプログラムを実践します。こうして、作成、保存、使用、共有、アーカイブ保存、廃棄のデータライフサイクル全体でリスクを管理することが可能となります。