{{item.title}}
{{item.text}}
{{item.title}}
{{item.text}}
今日において情報過多は日常茶飯事です。消費者は、広告、ソーシャルメディアの投稿、掲示板、ダイレクトメール、電子メール、電話といった情報を常に浴びせられています。消費者に対応する企業は、その中でどのように自社を目立たせ、消費者が自社を選ぶようにアプローチすれば良いのでしょうか?
価格、品ぞろえ、商品の探しやすさ、独占性で競争に勝つこともできるでしょう。他社のように単に商品を売るだけでなく、専門家によるアドバイスやテクニカルサービスを提供することも可能です。しかし、そのような中でも、特に重要なのは優れた体験の提供です。そのためには、購買ジャーニー(Purchase Journey)を詳細に理解し、どこに消費者を獲得する機会があるかを判断する必要があります。
最も有利となる機会を探してください。例えば、ホテルにとって最良の機会は、おそらく人々が複数の旅行サイトを見て検討する購買ジャーニーにおける最初のステップにはありません。むしろ、予約の手続きやチェックインの途中です。宿泊客が部屋を選択できる、あるいは書類ではなくグラスワインで宿泊客を迎えるなど、消費者からプラスの感情を引き出す体験を提供できれば、ホテルは「モーメント獲得」(ブランドが消費者の意思決定プロセスに入り込むこと)をし、次回も泊まってもらえる可能性が高くなります。PwCの世界の消費者意識調査2019で、回答した消費者の37%が、旅行の際、1泊あたりの料金が比較的安いホテルではなく、シンプルだが特別なものを提供してくれるホテルを選んでいます。シェアリングエコノミーサービスを選ぶ人がいまだ12%にとどまっているのは、おそらく「モーメント獲得」が理由だと考えられます。モーメントを獲得する上で重要なのは、顧客にもう一度体験したいと思わせることです。
現実世界の買物は変化を遂げています。PwCの調査によれば、消費者の4分の1近く(24%)が、1日1回以上、食料品の買物をしています。中東やロシアなど、一部の地域では、「マイクロトリップ」(5分以内の短時間の買物)をする人の割合がさらに高く、40%近く、または40%を超えています。忙しい人は、近くの店で牛乳1パック、ヨーグルト1パック、あるいは夕食に簡単に食べられるものを買い、店員を介さずにモバイル決済で支払って、できるだけ早く店を出るのです。
昨年の調査の結果、消費者は、今でも物理的な場所が提供する感覚的、社会的な体験に価値を置いていることが分かりました。純粋にデジタルなアプローチだけでは十分ではないという理由は、他にもあります。保険会社のMetLifeは、今でも人間によるセールスに依存しています。欧州、中東、アフリカ地域におけるMetLifeのD2C/デジタル革新部門責任者であるFrançoise Lamotte 氏は、2019年1月のインタビューでPwCに次のように語っています。「複雑な金融サービス業界で本当に必要なのは、ハイブリッドモデルです。顧客に製品について説明し、ニーズを理解し、適切なソリューションを提案するには、やはり人間が必要です」
物理的要素とデジタル要素のブレンドは、他の企業でも採用されています。従来型の実店舗や他の小売業者とのパートナーシップに加え、Adidasは、オンラインプラットホームでも製品の販売を促進しています。「当社はコンシューマーエクスペリエンスも改善しています。毎週新製品を発売していますが、デジタルメディア経由での発売が最も有効です」と、2018年8月のstrategy+business誌によるインタビュー[English]で、Adidasの最高経営責任者(CEO)であるKasper Rørsted 氏は語っています。
モバイル決済に積極的な消費者が増えるにつれ、デジタルプラットホームがさらに重要になります。PwCの調査によれば、消費者3人に1人以上がモバイル決済を利用しています。普及度はアジアで特に高く、中国、タイ、ベトナムの回答者はモバイル決済利用率が最も高くなっています。ドイツの卸売会社、Metro Cash & Carryの中国部門の最高経営責任者(CEO)であるClaude Sarrailh 氏は、2019年1月のPwCのインタビューで次のように語っています。「中国では、現金の利用が減少し、それによって従来と異なる方法での購入、取引、ビジネスが容易となっています」
デジタル化すれば、あらゆる種類のジャーニーを把握し、顧客を獲得する機会を特定し、企業の提供する体験に消費者がどのように反応しているかを知ることも容易です。このような追跡は、体験の改善が最も大きな効果をもたらす場所を明確にするのにも役立ちます。