サーキュラービジネスの構築支援

サーキュラーエコノミーへの移行の必要性

世界人口は2050年には97億人に達し、世界の廃棄物発生量は2010年に比べ2倍以上になると予測されています^*。そのため、大量生産・大量消費・大量廃棄というリニアエコノミーから、バリューチェーンを通して再生不可能な資源の使用ゼロ、焼却および埋立ゼロを目指すサーキュラーエコノミーへの移行を進める必要性が高まっています。

また、サーキュラーエコノミーはCO2ネットゼロ実現へのカギとも言われています。エネルギーの電化と再エネ化により削減できるCO2量は全体の55%に過ぎず、残りの45%は製品の生産由来であるため、この部分の削減にサーキュラーエコノミーが大きく寄与すると考えられます。

企業がサーキュラーエコノミーに対応するにあたっては、右図の「3つの原則」および「10個の循環型戦略」を念頭に置いた検討が有効です。自社ビジネスの各プロセスにおいてキーステークホルダーと協働することで、バリューチェーン全体を通してサーキュラービジネスを構築する必要があります。

サービス：サーキュラービジネスの構築支援における私たちの強み

PwCはこれらの課題に対し、「整備された方法論・テンプレート」「自動分析ツール」「蓄積されたサステナビリティ経営支援ナレッジ」「グローバルネットワーク」という4つの強みを活かして対応し、クライアント企業のサーキュラービジネスの構築を支援します。

具体的には、「1. ビジネス環境調査と対応ロードマップ策定支援」「2. サーキュラーパフォーマンスの可視化支援」「3. 新規ビジネスモデルの検討支援」「4. 関連技術の評価と外部連携の検討支援」を提供することが可能です。

ビジネス環境の調査と対応ロードマップの策定

国内外の政策、法規制、イニシアティブ、認証などを調査・整理し、クライアント企業のビジネス環境を詳細に把握します。

顧客・競合・パートナーなどのバリューチェーン全体における取り組みを、サーキュラービジネスの構築に必要な対応方法をもとに、整理・分析します。これらの分析結果と自社の現状ビジネスモデルの整理をもとに、課題の整理、対応策の検討および優先付けを実施し、サーキュラー化実現に向けたロードマップの策定を支援します。

サーキュラーパフォーマンスの可視化

外部ツールを活用するなどして、どの程度サーキュラー化ができているかを可視化し、サーキュラー化戦略の構築に活用します。自社事業の現在のマテリアルフローをベースに、インフローとアウトフローについての状況を明確に理解することがサーキュラー化に向けた第一歩となります。

サーキュラーインフロー：投入される再生可能資源、リサイクル資源
サーキュラーアウトフロー：再利用可能な生産物
リニアインフロー：非再生バージン資源
リニアアウトフロー：非再生可能資源、廃棄物

新規ビジネスモデルの検討

過去のプロジェクトで蓄積された知見（サーキュラービジネス構築のボトルネックと、それを乗り越える打ち手の整理）を最大限活かし、新規ビジネスモデルの検討を行います。

ビジネスモデル案を検討し、それらの案の深堀りと評価を行ったうえで、実現に向けた課題を整理します。さらに、課題解決のためのオプション案を検討し、アクションプランに落とし込みます。

ボトルネックを乗り越える打ち手（例）

Ⅰ 全社サーキュラーエコノミービジョンを策定し、組織に浸透させる仕組みづくり

• 構造変化理解と全社方針転換：トップダウンコミットメント／ティッピングポイントの把握と計画反映
• 組織浸透仕組みづくり：インセンティブ設定

Ⅱ リスクと機会の可視化

• LCAホットスポットの特定
• 競合のサーキュラー化により将来のリスク量を可視化
• 将来的な規制・課税リスクの可視化および事業スクリーニング
• インターナルカーボンプライシングの利用

Ⅲ コストアップを乗り越える「トレードオン戦略」

• スモールスタート：ニッチ市場での成功積み上げ／プレミアム市場におけるブランド化
• コスト分散
• 収益ポイント追加：知財ライセンス／排出権取引による収益化

Ⅳ ステークホルダーとの連携による「市場開拓・市場構造の変革」

• 顧客連携：顧客業界のコンソーシアムなどへの参画や、顧客のマーケティング観点でのストーリー形成
• 政府・業界団体などとの連携：イシュー・マーケティング／業界団体・政府との協働を通じた新基準の確立／ロビーイングによる減税およびインセンティブの獲得／政府補助金を活用した実証事業
• パートナー連携：目的を共有する関連企業との共通プロジェクト実施

関連技術の評価と外部連携の検討

サーキュラービジネス構築のために必要な技術開発や外部パートナーを模索するために、独自のAIツール（Intelligent Business Analytics）を活用して、効率的かつ効果的に関連技術を分析・評価します。また、技術協創パートナーや事業協創パートナーを検索し、候補を抽出することより、外部連携戦略の構築を支援します。

* 2010年 環境省HP