経営のための「調達」 見落とされてきた活用戦略
調達によるさらなる経営貢献の創出を目指した「調達の高度化」の考え方、進め方を、具体的な事例を交えながら戦略、組織・人材、業務、システムなどの観点から紹介します。（中央経済社／2024年11月）
直接材調達＝サプライチェーン最上流を全体改革
新たな機能へシフトする「直接材改革ソリューション」
～SCM源流から効率化・高度化・見える化・事業継承～
直接材調達はSCMにおける販売・生産・調達の一翼を担い、また最も川上の機能を有しています。そしてこの直接材のQCD（Quality：品質、Cost：コスト、Delivery：納期）次第で、事業損益や品質、お客様へ提供する最終製品に大きく影響が及びます。サプライチェーン、バリューチェーンの最も川上を担う直接材調達の大部分は、社会・市場といった社外へ向かうGo-To-Marketの仕事そのものであると言えます。
直接材の調達は、価格・納期、その他の条件交渉、最終価格の決定を左右するため、非常に重要です。そのため、コストダウン活動や社外情報収集、計画の立案といった本来の調達の仕事を滞りなく進められる態勢を整えることが求められます。
グローバルレベルでは、材料市況、経済変動、物流状況、サプライヤーの開拓および維持といった外部環境に係る情報を収集・管理し、社内の事業にフィードバックすることも重要です。価格交渉においては、技術部門をはじめとする関連部門とともに実地調査を行い、コスト改善を促す責務も負うなど、供給安定性の確保に向けて尽力する必要もあります。
また、近年は対サプライヤーの社会的責任、カーボンニュートラル、デジタル化といった領域も調達部門が担うようになってきています。調達のサプライチェーンは広大であり、拡張、複雑化は進む一方です。そのため、調達部門は今まで以上に社外に向けた業務に注力し、会社の成長に貢献することが求められています。
PwCコンサルティングは、この難易度の高い直接材調達の改革に貢献する専門チームを立ち上げ、業務・システムの両面においてクライアントの競争力の維持・向上を支援しています。
直接材調達が担うべき戦略上のポジション
調達を取り巻く環境は、一向に安定する気配はありません。経済変動に伴う資材価格の変化、物流逼迫によるサプライチェーンにおける輸送価格変動、金融市場の影響を受けた材料市況、為替市況の変動を受けた材料価格など、さまざまな外部要因における影響が挙げられます。これらの外部環境変化に加え、自社事業戦略変化の影響も強く受けるのは言うまでもありません。
直接材調達の影響として、資材価格が販売価格に与える影響は大きく3～4倍にもなって波及すると言われ。1割のコスト削減に成功することは売上の4割増加相当するとも言われており、調達影響は非常に大きいと言えます。
社会および市場の変化に応じて、継続的に価格を最適化し、サプライヤーとの関係を継続し、あるべきサプライチェーンを実現するためには、調達組織、集中購買をはじめとした調達制度、情報収取・分析、QCD・コンプライアンス・ガバナンス・セーフティー等時代にあった取引先選定評価に加え、プロセスの更なる効率化とリソースシフトといった調達の強化は事業継承からも不可欠です。
＊調達部門のポジション変革や新たな機能組織を指す
調達から新たなSCMへ改革する
–川上・関連会社直結する新たな統合施策–
- 直接材調達を取り巻くビジネス環境の変化は激しく、SCMの効率化および高度化、ESG対応（SCM上のエコ、安全保障対応、取引先のセキュリティーや人権など）、DXなど課題が山積しています。直接材調達に関わる企業には、これらの課題を解決するための施策に統合的に取り組む必要性に迫られていますが、企業の状況によっては緊急性が高く、早々に着手し、実行に移すことが求められていると考えます。
- PwCコンサルティングは、調達をトリガーとした次世代SCMの構築を支援し、クライアントの競争力強化、事業継承に貢献します。
「直接材調達改革フレーム」
PwCコンサルティングでは、直接材調達をメーンにした「直接材調達改革フレーム」を設けており、この方法論を活用することで総合的かつ合理的に改革を進めることを支援しています。このソリューションは、戦略、開発購買、ソーシング、P2P（発注から支払）、統合データ分析、リサイクルSCMといった6つの領域を構えており、調達活動のライフサイクルの全てをカバーしています。
私たちは既存の自社サプライチェーンを活かしながら、激変するSCM、調達環境変化に応じて、強力なビジネスパートナーとして伴走型のコンサルティングを提供します。
直接材調達ソリューションメニュー群
PwCコンサルティングでは、直接材調達を変革するさまざまなソリューションを設けています。
各ソリューションの詳細は、該当ソリューションを押下するとご確認いただけます。ご相談などは、各ページ最下部の「お問い合わせ」から可能です。
＜ソリューションメニュー群 絞り込み＞
ベストプラクティスモデル >
PwCコンサルティングでは、直接材調達に着目した「ベストプラクティスモデル」として、調達改革フレームに示す各業務要素をあらかじめ設けています。
このアセットを活用することで、クライアント企業の現状の業務において脆弱なポイントを顕在化させ、改革を推し進めることが可能です。
SRMーサプライヤーポータルー >
SRMの概念は以前からあったものの、属人的な対応をしているケースが多かったことから、CRMのような発展を遂げなかったと考えられます。PwCコンサルティングでは「直接材調達ベストプラクティス」方法論をベースに、「New SRM＝統合的サプライヤー接点」の実現を支援します。これはサプライヤー情報管理に特化した概念で構成しており、サプライヤーとの接点に係る機能を調達部門だけでなく、技術部門や経理部門と統合的に集約し、全体最適を図ります。
直接材調達 サプライチェーンネットワーク（Tier調査） >
PwCコンサルティング合同会社は、直接材調達をメインにした「直接材調達改革フレーム」を設けており、この方法論を活用することで総合的・合理的に全体改革を進められます。全体改革を行うにあたって、業務レベル診断を実施し、脆弱性や課題を顕在化することが重要です。「サプライチェーンネットワーク（Tier調査）」の要点を紹介します。
ソーシング（S2C）ー価格決定ー >
ソーシングは直接材調達において、取引先選定や価格決定を実行する会社全体業務からみても非常に重要な業務です。「価格決定の動向や経緯を説明できるか」「それを共有できているか」「価格決定に係るコンプライアンスに問題がないか」といった点を踏まえた上で、価格決定プロセス全体を見渡しながらソーシング業務の問題点を洗い出す必要があります。その際には前工程の購買要求、サプライヤーとの連携が欠かせないため、内外連携を密に図ることが求められます。
P2Pー発注～支払ー >
P2P領域においては、定型業務に関する業務効率化や、発注から支払までの業務における不正・コンプライアンス違反・調達リスクの回避といった課題が挙げられます。PwCコンサルティングではP2P領域の業務効率化支援により、調達部門内のリソースを解放し、高付加価値業務への充当を支援します。また、継続性・再現性のある業務整備を実行することで、ガバナンスの強化に貢献します。
データドリブン統合分析 >
PwCコンサルティングが独自に設けた「直接材調達改革フレーム」をベースに、クライアントの分析環境の充足性を把握し、不足する情報を明確化します。これにより、統合的な分析基盤の確立を支援します。
ソーシングにおける調達PDCAおよび、発注から支払までのP2Pにおけるさまざまな情報に基づき、既存データを軸としたファクト分析を行います。その結果に基づき、新たな分析モデルからの構想、アジャイル方式での分析など、クライアント企業の状況に合わせたデータドリブンなコンサルティングを提供します。
PwCコンサルティング直接材調達ソリューションの特長
PwCコンサルティングは、直接材調達改革に特化したソリューションを設けており、多岐にわたる課題に係る豊富な知見や、今後の方向性を見通す洞察力を活かしながらクライアント企業の強力なパートナーとなり、改革を支援します。
初期の企画立ち上げに際しては、業務レベル診断コンサルティングを活用することで、調達に係る全体課題を導出することができます。また、ソーシングやデータの見える化など、個別テーマに絞って改革支援を行うことも可能です。
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