1.グローバルIPOの意義
近年、米国を中心に海外市場へ上場する日本企業が増えつつありますが、現地での事業展開を考えている場合、国内市場ではなく海外市場へ上場することには、主に以下のような意義が考えられます。
- 企業は上場に際して多数の株式を証券市場を通じて発行し、その株式を投資家が購入することで多額の資金調達が可能になりますが、海外市場に上場することで、資金の流動性が高まり、国際的な機関投資家にもアクセスすることができます。
- 海外市場へ上場することによって、新聞やニュース、SNSなどのメディアに取り上げられる機会や、それを多くの人が目にする機会が増えることにより、消費者からの認知度の向上、海外取引先との信用力向上、優秀な人材の確保などを期待でき、現地での事業展開をよりスムーズに進めることができます。
- 特に米国では、新たな産業分野(ブロックチェーン、仮想通貨、メタバースなど)は相対的に上場がしやすく、また、事業内容や見通しによっては日本で上場するよりも企業価値(株価・時価総額)が高く評価される傾向があります。